西宮アレルギー事故から考える ― こども園における常勤学校医の必要性

  • 2025年6月22日
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2025年5月20日、兵庫県西宮市の認定こども園「阪急幼稚園」で、卵アレルギーを持つ園児3人に卵が含まれたパンが提供され、そのうち1人がアナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー症状を起こし、病院に搬送されるという痛ましい事故が起こりました。幸いにも命に別状はなく、回復されたとのことですが、今回の件は、食物アレルギーを持つ子どもたちの命を守る体制に課題があることを強く示しています。

こども園で“パン”食べた園児が重いアレルギー症状 製造業者「イレギュラー対応によるミス」と話す

関西テレビ

2025年6月20日 金曜 午前11:45関西テレビの最新記事をトップページに表示

兵庫県西宮市の認定こども園で、卵アレルギーのある園児に卵が含まれたパンが出され、重いアレルギー症状で病院に運ばれていたことが分かりました。

西宮市などによると、5月20日に、認定こども園「阪急幼稚園」で、卵アレルギーのある園児3人がパンを食べたところ、2人がアレルギー反応を起こしました。

このうち1人は、嘔吐など「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー症状で病院に運ばれましたが、その後、回復したということです。https://www.fnn.jp/articles/-/889984

「想定外」のミスが命を脅かす

報道によれば、パンの製造業者はアレルゲン対策を「日常的に講じていた」とする一方で、「イレギュラーな対応によるミス」が原因である可能性を認めています。つまり、マニュアルだけでは防ぎきれない“例外”が、現場には存在するのです。

■卵アレルギーのある園児のために作られたパンに”卵の成分”が

記者リポート:こども園の調査では、提供されたパンから卵の成分が検出されたということです。

卵アレルギーのある園児のために作られたパンに”卵の成分”が入っていたというのだ。

保健所の調査によるとパンを製造した業者は通常のおやつとアレルギーのある園児用のおやつでは調理器具を使い分けるなど、食物アレルギーを防ぐ対応は日常的に講じていたということだ。

では、なぜ卵の成分が混入したのかー?

■「責任者不在の中で製造管理の体制を間違えた」とパンを製造した業者

業者は関西テレビの取材に対し、混入した理由は分からないとした一方…

パンを製造した業者:普段は通常のおやつとは別の厨房で作っていたがその日は同じ厨房で作った。責任者不在の中で製造管理の体制を間違えた。

園児の母親は、二度と同じようなことが起こらないようにしてほしいと訴えている。

https://nordot.app/1308729112932646954

今回のようなケースは、決して他人事ではありません。教育・保育現場では、どれだけマニュアルを整備し、研修を行っていても、突発的な人員不足や環境の変化により、想定外のミスが起きることは避けられないのです。

そして、そうしたミスは時に、子どもの命を脅かす結果になりかねません。

だからこそ、医療の専門知識を持つ常勤の学校医の存在が、今後ますます重要になります。

現場に医師がいれば、命を守る対応が迅速に

アナフィラキシーは、発症後わずか数分で命に関わる可能性のある状態です。迅速なアドレナリン投与や医療機関への搬送の判断が必要であり、学校・園の職員だけにその判断を委ねるのは酷です。常勤の学校医が現場にいれば、発症後すぐに専門的な判断と初期対応が可能となります。

また、日常的な保健指導や職員へのアレルギー研修、個別対応計画の作成など、予防の面でも常勤医の役割は大きいと言えます。

常勤学校医がいれば、法的リスクも軽減

今回の事故が示すように、どれだけ丁寧に配慮していても、事故は「起こりうるもの」です。さらに近年では、事故後の対応についてもメディアや世論、司法の目が非常に厳しくなっており、現場職員がどれだけ善意で行動していたとしても、理不尽なまでの責任追及にさらされることも少なくありません。

しかし、常勤の学校医が日常的に関与していた事実があれば、「専門的助言のもと、継続的な安全配慮がなされていた」と法的に示す根拠となり、施設としての安全配慮義務を果たしていたと評価されやすくなります。

日本学校医会としての提言

私たち日本学校医会は、すべてのこども園、小学校、中学校において、常勤または準常勤の学校医を配置する体制の整備を、国および自治体に対して求めていきます。特にアレルギーや持病を持つ児童・生徒への対応については、医療と教育の密接な連携が不可欠です。

今回のような事故が二度と起こらないよう、そして子どもたちが安心して学び、育つことができる環境を実現するために、今こそ行動のときです。