2024年7月、高知市立長浜小学校で発生した痛ましい事故。水泳授業中、当時小学4年生だった小学生が命を落としました。市の検証委員会が2025年3月にまとめた報告書では、「事故は防げた可能性がある」と明確に指摘されました。
その報告の中で浮き彫りとなったのは、「情報共有の不足」「指導体制の不備」、そして「個々の児童に対する健康・安全管理の甘さ」です。これらの課題に共通して欠けていたもの──それが、専門的な医学的視点でした。
命を守るために、今、学校医の存在が必要です
学校医とは、学校における児童生徒の健康状態を見守り、必要に応じて医療的なアドバイスや対応を行う役割を持つ医師のことです。現在、法的には定期健診などを担う非常勤の存在にとどまっていますが、今回のような緊急時や特別活動(プール、水泳、運動会など)には常駐または随時対応できる体制があれば、大きな違いが生まれたかもしれません。
事故当日、松本さんは身長113.8センチと小柄で、水深132.5センチのプールでは物理的にも危険な状態でした。こうした「個々の体格・体力に応じた安全配慮」は、教育現場だけで完結するには限界があります。子どもの身体とリスクを科学的に見極めるプロフェッショナル=学校医の目が必要です。
未来の事故を防ぐために
報告書では、松本さんが2週間前にも同じプールで溺れかけていたという重要な情報が、校内で共有されていなかったことも指摘されています。もし、そのとき学校医が関与し、児童の健康管理リストを管理・助言していたら──。悲劇は未然に防げた可能性があるのです。
学校は「教育」だけでなく「命」を預かる場所
教員の熱意と努力は尊いものですが、専門領域を超える負担がのしかかっているのも現実です。だからこそ、教職員と連携し、子どもの安全を支える「学校医」の存在を常設することが、今求められています。
児童の命を守るために。もう一度、同じ悲しみを繰り返さないために。
すべての学校に、学校医の常駐を。